桜スタジアム寄付金推移記録

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ブ口グ管理人
 
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キンチョウスタジアム(長居球技場)を大改修するプロジェクト、桜スタジアムプロジェクトの寄付金の状況をまとめました。
今後、他でも寄付によるスタジアム建設が続くこともあるかと思いますが、そのためのデータとして記録に残しておきます。
なお、最新の数字は桜スタジアムプロジェクトのHPに載っていますので、そちらを参考にしてください。


桜スタジアム寄付金目標額:66億円


日付 累計目標 現在 法人 個人 単月合計
20170501 183,333,333 329,381,447 311,800,000 17,581,447 329,381,447
20170601 366,666,667 336,104,041 312,000,000 24,104,041 6,722,594
20170701 550,000,000 346,308,925 315,350,000 30,958,925 10,204,884
20170801 733,333,333 352,041,306 315,450,000 36,591,306 5,732,381
20170901 916,666,667 356,555,940 315,950,000 40,605,940 4,514,634
20171001 1,100,000,000 354,092,702 316,264,154 37,828,548 4,428,788




単月増分の推移


日付 法人単月増分 個人単月増分 単月目標 単月合計
20170501 311,800,000 17,581,447 183,333,333 329,381,447
20170601 200,000 6,522,594 183,333,333 6,722,594
20170701 3,350,000 6,854,884 183,333,333 10,204,884
20170801 100,000 5,632,381 183,333,333 5,732,381
20170901 500,000 4,014,634 183,333,333 4,514,634
20171001 414,154 2,854,989 183,333,333 3,269,143




※数字は累計の値。「単月合計」は「現在の総額」の先月からの増分





2017年度)
【桜スタジアム建設募金団体】募金活動のご報告(4月度)
【桜スタジアム建設募金団体】募金活動のご報告(5月度)
【桜スタジアム建設募金団体】募金活動のご報告(6月度)
募金活動のご報告(2017年7月度)
募金活動のご報告(2017年8月度)
募金活動のご報告(2017年9月度)
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来季の編成について 2018シーズン

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ブ口グ管理人
今年もこの記事の季節になりました。ちょっとづつ書いていましたが、ルヴァンカップ優勝のタイミングで色々出てきたので、公開します。いつも通り公開されている情報のみです。

更新履歴)
11/09:追加・・・杉本健勇(情報は11/04朝時点)
11/11:修正・・・監督交代 追記・・・尹晶煥(情報は11/04夜時点)
11/15:追記・・・大熊清


今年のトレンド)
DAZNマネー元年
今季より3年間のJ1優勝賞金&配分金が正式決定!優勝なら総額22億円:ゲキサカ
まずDAZNの理念強化配分金という大きな資金がこのオフから支給されます。1~4位に関係してくるこれを奪い獲るために、今年様々なクラブが動いてきました。もっとも、コケたところも多いですが。リーグも佳境を迎え、大体関係してくるクラブが絞られてきたでしょうか。

監督交代
監督交代は、選手の出場機会を左右する大きな要素。監督交代があるということは来季の編成にも当然影響するわけですし、監督の決定が遅れれば編成はフロント主導となり、編成と監督の采配とのズレが起きやすいことも考えられます。逆に交代がないことで、出場機会の減っている選手が動く可能性もあります。

去年末、多くのクラブが監督との契約を更新していました。ただ、それでうまく行かなかっとところも多く、現時点で去年の上位クラブの監督の多くがすでに交代もしくは今年で契約満了となっています。途中交代したところが、このオフに交代するのかどうか。

これとは別に、今年スペイン人監督が増えました。その流れが継続するならさらに増える可能性もありますが、冒険しないJ1フロントは手を出さず、J2に来たというのが2017年。2018年はどうなりますか。

J1は、11月11日時点で、FC東京・G大阪・横浜FMが交代するようです。浦和も微妙で、鹿島・C大阪・鳥栖は続投報道。仙台が続投を公式発表しています。神戸が交代とされてきましたが、最近続投という話も出ています。あとは順位争いによって変わりそうなところも多いです。

アジアの移籍市場の変化
中国では、GKは国内選手のみとなったり、外国人枠が削減となったりで、外国人選手があぶれつつあります。国内のお金が海外に流出するとして加入時の移籍金と同額を国に支払わないといけなくなったという話もあり、新しい外国人選手の移籍に歯止めがかかりつつあります。こういった外国人枠削減の動きは中東でもあるようです。
この動きで一番割を食っているのがアジアの選手。特に韓国人選手。高価な欧州・南米の選手が優先されて飼い殺し状態になっている選手もいて、中国から撤退して他の国に行ったり韓国に戻ったりという動きが出ています。

세레소 이적 앞둔 양동현, J리그 전방위 영입 신호탄:Goal(韓国版)
セレッソ移籍控えたヤン・ドンヒョン、Jリーグ全方位の勧誘信号弾:上記記事のGoogle翻訳
Kリーグ在籍選手についても、他国に比べて賃金水準が相対的に低くなってきていることもあり、DAZNによる分配金で潤うJリーグから声がかかる傾向にあるようです。セレッソではKリーグから移籍してきたヨニッチが大当たりでしたが、Kリーグの外国人だけでなく韓国人選手についても増えそうだという見方があるようです。

タイ方面からもJ入りの声がいくつか聞こえてきています。Jリーグのアジア戦略の絡みがあるのかもしれません。J2J3行きの話や留学的なものも混じっているようですが、タイ代表クラスもいくつか話があるようです。

他にもベトナム人選手の話も活発になりつつあり、アジアの選手、特に提携国枠の選手の話が今後出てくるかもしれません。

外国人枠の使い方
少し前の中国では、外国人を枠いっぱいにとって試合には調子のよい選手を出すというやり方をとっていたことがありました。3枠しか出れないリーグ戦でABCDEと5人外国人がいるとして、国内の試合はABCで、ACLではBDEでといったようにですね。3+1が出場できる日本で5枠あるということはそういったやり方もとれ、DAZNマネーでそういったやり方が加速する可能性があります。

セレッソの事情)
ACL出場権の有無と、決定タイミング及びPO行き
まず、今年どれだけ賞金を稼げるか。そして、ACL出場権を取れるか。取れるならどのタイミングか。PO行きか否か。この辺りがポイントになってきます。
ACLに出るなら、それを売りにして選手と交渉を進めることができるでしょう。ただ、自クラブの状況に関わらず他のクラブも交渉しているので、出場権が確定する前に他に決まることもあるわけで、早く決まったほうが有利です。そして、PO行きかどうかでも、始動のスケジュールが前後する可能性もあります。

外国人枠について
外国人は国籍問わず5人まで保有出来て、一つの試合には3人+AFC加盟国1人の3+1人が出場できます。
セレッソのシーズン終了前の外国人一覧は次の通り

GK:キムジンヒョン(韓国:AFC枠)
GK:アンジュンス(韓国:AFC枠も可能だが、基本U23で出場)
DF:ヨニッチ(クロアチア)
MF:ソウザ(ブラジル)
FW:リカルドサントス(ブラジル)

新たに獲得するならこの中から誰かが移籍するということになりますが、Jリーグの提携国の選手であれば、この枠には入りません。今話題のタイの選手もこの外国人枠にカウントされません。セレッソは以前から東南アジア方面との話が出ていて、動きがあるかもしれません。

セレッソでは3+1枠から外れた1枠をU23育成枠で使っています。現状アンジュンスがU23枠で使われていますが、GKに永石が入ってくることでU23に4名のGKがいることになり、ここの考え方を変えて育成枠をなくす可能性もなくはないです。個人的にはそうなるとは思えませんが、レギュレーション上「やれる」ということで一応挙げておきます。

選手の入れ替え
2017シーズンは昇格&監督が変わるタイミングでしたが、ヨニッチ・水沼・福満が加わったぐらいで、J2を戦った2016シーズンの選手がほとんど残っていました。来季は何もなければ尹晶煥2年目となり、チームを把握して何が足りないのかがはっきりしたはずで、選手の入れ替えが起きやすいタイミング。これとは別に、2017シーズンはカップ戦組が結果を出したため、他から声がかかる可能性があるかもしれません。

海外移籍
夏に移籍話があったように、健勇は海外移籍を考えています。冬になるか夏になるかわかりませんが、そのうち出て行くのは既定路線。2018年はW杯があるので、その後に移籍というのがベストでしょうか。香川真司がドルトムントへ行ったときには、冬に清武を獲って夏にフィットするようにして真司が夏移籍という動きだったので、同じようなやり方が考えられます。

レヴィーチルドレンの引き抜き?
お隣に元セレッソの監督、レヴィー・クルピを招聘というニュースが出ています。確定したら、気になるのはレヴィーチルドレンとも言うべき、あの頃いた選手達の動向。

ただ、こういった移籍では、お金、出場機会、そしてやるサッカーに特化して生きやすい等のメリットがないと成立しないことが多いです。今うまくいっている選手があえてチームを変える、しかもライバルチームにという決断をするには、それ相応のメリットがないとできません。

また、あれから時間も過ぎています。選手達も、レヴィーのことを想うよりクラブで濃密な時間を過ごしています。あの頃在籍していて今もいる選手を見ると、生え抜きはレギュラーでほぼ皆勤&複数年でプロテクトという話も聞きますし、ベテラン組はあの頃より…という状況で、成立する可能性は少ないかな?とも思います。よっぽど積んだら別ですが、監督・スタッフにお金がかかることで有名な監督で、かなりお金を使ってるでしょうし。あるとすれば、既に外に出ている選手かもしれません。

U23組の動向
U23は来季で3年目になります。2年目が終わりを迎えて、方針が大体わかってきたと思います。まず、U23は育成目的なので、戦力的な補強というより将来を見据えた動きになるでしょう。そして本人の成長のためになるなら、トップチームとU23のカテゴリーの間のクラブ、もしくは海外への育成目的のレンタルは容認する方向。このオフも、そういう動きは出入り両方において有り得ます。Jの提携国の選手についてはなんとも言えませんが、可能性はあるかと思います。

ただ、大きな懸念は、トップや代表に抜かれたり怪我人が出たりして、U23の人数が足りないことが結構起きています。もう少し人数を増やしてもいいんでしょうが・・・。


セレッソ関連の移籍動向)

では実際の噂についてまとめていきます。新人については別記事の2018シーズンの新人でまとめているので、ここでは省きます。名前だけ挙げておくと、

GK:永石拓海(福岡大)
FW:中島元彦(セレッソ大阪U18)
FW:山田寛人(セレッソ大阪U18)

の3名が確定しています。

スタッフ)
尹晶煥・・・続投報道
C大阪・尹監督、結婚記念日に花添える初戴冠!2年契約で続投は既定路線:デイリースポーツ
ルヴァンカップ決勝直後の報道。2年契約ということで、続投は既定路線。
とにかく1年でJ1に上げて、その先は3年間ぐらい腰を据えて指導してもらえるしっかりした監督を招へいしたい、そしてACL出場を常に目指せるチームづくりを、と考えています
これは2016年の正月の社長のインタビュー記事。2年と3年の違いはありますが、長期的にやってもらおうという方針とは一致しています。

大熊清・・・岡山が監督候補にリストアップも長澤監督留任
【岡山】来季監督候補にC大阪・大熊統括部長をリストアップ 長沢監督は退任へ:スポーツ報知
セレッソ側からすると、岡野ショックの直後でチームが底の時に無理を言って来てもらったのと、監督が決まらない中でその役をやってくれたということで、クラブ側から切りにくいが、タイトルを獲ったことで、1つの区切りではあるよねという状況。岡山的には長澤監督とは関係が深く、その辺りのルートなのかもしれないけど・・・と思っていましたが、どうやらGMの鈴木氏が東京ガス時代に大熊清氏を招聘した間柄で、大宮の時にも大熊清氏を招聘したりと、かなり重要視しているらしいということです。

11/15 長澤徹監督 契約更新のお知らせ:岡山公式
というわけで、岡山の監督の話はなくなった模様。

DF)
ティーラトン・ブンマタン(タイ・ムアントンユナイテッド)・・・リストアップ段階?
タイ代表の左SB。詳細はティーラトン・ブンマタンのセレッソ入りの噂に書いているのでそちらを参照してください。Jリーグの提携国の選手なので、外国人枠にはカウントされません。

MF)
水沼宏太(FC東京→C大阪へレンタル移籍中)・・・完全移籍?
C大阪、水沼完全移籍へ動く 元韓国代表ヤンも獲得へ打診済み:スポニチ
加入時のコメントからして、片道キップであると推測されている右SH。今年がFC東京加入後2年目で、恐らく今年末で契約切れでは?とも言われていて、もしそうなら支払い方法の関係でこういう形を取った?(あくまで推測)

矢島慎也(浦和レッズ)・・・リストアップ
C大阪、水沼完全移籍へ動く 元韓国代表ヤンも獲得へ打診済み:スポニチ
水沼の記事ですが、他にも多数の情報が載っているこの記事。矢島についても触れられています。
岡山へのレンタル時にも何度か対戦した2列目・ボランチ。ミシャ時代、なかなか出れていないことで色々溜まっているような雰囲気がありました。堀監督になって出場機会が増えてきましたが、10月になってからあまり出れていません。次の監督次第?

FW)
ヤンドンヒョン(浦項スティーラース)・・・リストアップ段階?
浦項スティーラース所属のCF。詳細は浦項・梁東炫(ヤンドンヒョン)獲得の噂に書いているのでそちらを参照してください。

前田大然(松本→水戸へレンタル移籍中)・・・リストアップ
C大阪、水沼完全移籍へ動く 元韓国代表ヤンも獲得へ打診済み:スポニチ
快足系FW。どこも目をつけているはずで、競合の可能性も高いです。

※11/09追記
杉本健勇・・・海外?
11/04朝 C大阪・杉本 初出場弾でクラブ初タイトルを!欧移籍も再浮上:スポニチ
>今夏に続き、今季終了後にスペインリーグなど欧州へ移籍する可能性が再浮上していることが判明。
>関係者によると、レガネスやテネリフェ、同1部ジローナ、ドイツのクラブも興味を示しているという。


キンチョウスタジアム改修に関するこれまでの経緯(超長文注意)

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ブ口グ管理人
キンチョウスタジアム(長居球技場)を改修するプロジェクト「桜スタジアムプロジェクト」が進んでいます。ここで、情報の共有及び蓄積のため、公開されているソースを元に時系列に沿って現在までの改修の流れ・関係する事象をまとめてみたいと思います。長いですが、ピンクのタイトルのところだけ見て、興味なければ読み飛ばすなどしてください。

長居公園と、その周囲の歴史)
まずは長居公園とそれに関わることについて、大まかな流れを列記します。2重線やピンクの文字まで読み飛ばしても構いません。(読み飛ばす場合はこれをクリック)長居球技場関連は太文字下線部分のみです。

なお、2000年以前の内容について1次情報が見当たらずソースが怪しいところが多いです。大きな流れは合ってるはずですが、年代や内容など誤りがあったらごめんなさい。


1928:臨南寺周辺を臨南寺公園として公園化することを決定
1929:阪和電気鉄道 臨南寺前駅(現JR阪和線長居駅)開業。
1934:長居公園に改称
1944:長居公園開園
1947:1947年の長居公園付近航空写真
1948:大阪競馬場開場(スタジアム南の運動広場や長居第2の辺り)
1950:大阪中央競輪場開場(現長居陸上競技場付近)
1951:長居オートレース場開場(臨南寺南とも言われているが、競輪場を使ったという説もある)
1952:騒音問題により長居オートレース場閉場
1955:農林大臣が「競馬開催を土日祝日開催に限る」と提案。通産大臣が「競輪・オートレースも同様」と表明。全国的な流れになる
1959:大阪競馬場、赤字問題により閉場
1960:大阪市営地下鉄1号線(現御堂筋線)長居駅が開業。
1962:大阪中央競輪場開場閉場
1963:1963年の長居公園付近航空写真


この時期の長居公園は、競馬場や競輪・オートレースなどの公営競技の場としてお金を稼ぐという方向性で運営されていたようです。ただ、その客のふるまいなどでイメージは悪かったたようです。1955年に当時の大臣達が提案した「競馬等の開催は土日に限定」という方針によって、競馬や競輪等の開催が被って収入が減ることが予想され、大阪市は競馬場などの閉鎖を表明。その後長居公園をどのようにしていくかが問われることになります。


1964:大阪中央競輪場の跡地近くに長居陸上競技場開場
1966:長居プール完成
1967:テニスコート開設
1970:ユースホステル完成
1972:長居相撲場完成
1973:大阪市内にラグビーをする場所がなかったことから、ラグビー場を建設する計画が持ち上がる。建設地として、長居陸上競技場に隣接する土地の買収開始
1974:大阪市長居障がい者スポーツセンター・植物園・長居自然史博物館(大阪市立美術館内から移転)完成
1975:1975年の長居公園付近航空写真
1981:長居球技場着工(建設費48億円)
1982:第1回大阪国際女子マラソン開催
1985:1985年の長居公園付近航空写真
1987:長居球技場開場
1988:テニスコート全天候化・ナイター化
1990:1997年国体開催が内々定となったことにより、長居陸上競技場改修工事の設計開始
1992:1997年開催のなみはや国体に合わせて長居陸上競技場を4万人規模とする大規模改修を開始
1993:長居第2陸上競技場竣工
1993:ヤンマーディーゼルサッカー部を母体としてセレッソ大阪が発足。社長に鬼武健二氏が就任。
1994:こけら落としとしてCAペニャロールと対戦(@神戸市立中央球技場:W杯改修前の御崎公園球技場※現ノエビアスタジアム)
1994:セレッソ大阪がJFL優勝&J昇格
1995:阪神大震災発生。高速道路の倒壊があり、着工間近だった阪神高速泉北線(JR阪和線との一体構造)の計画見直し
1996:長居陸上競技場完成
1999:JR阪和線の高架化工事着工
2001:IOC総会での投票で2008五輪の誘致に失敗(北京が選ばれたので、東アジアでの開催が当面なくなった)
2002:日韓W杯開催。Gr.ステージナイジェリアvsイングランド、日本vsチュニジア、準々決勝セネガルvsトルコを開催。
2004:地下駐車場及び長居配水場(地下駐車場東)供用開始

公営競技から手を引いた大阪市は、長居公園に自然・環境を求めたりスポーツ設備・防災機能を作るという方向に方針変更していったようです。1962年の競輪場閉場までが公営競技期、1963~2004(駐車場・配水場完成時)を運動施設他整備期とでも言いましょうか。

スポーツ設備の整備では、障がい者用のスポーツ施設や人工芝の球技場など、国内で初めての案件であったり、先進的な考えを織り込んだりしていました。大きな大会を誘致しようという野心もあり、W杯の誘致に成功していますが、大阪五輪の誘致失敗もあり、2004年に地下の駐車場や配水場ができたところで設備の新設・大規模改修は終わることに。

大阪市の議会の議事録(以降「議事録」と表記)によると、長居球技場は、大阪市にラグビー場がなかったことから新たに作ることが計画されたとのことです。ラグビーは芝を荒らすということで、芝のメンテナンスと稼働率の面から人工芝のピッチになったようです。用地はこの計画が上がったときに新たに買収した土地で、数年間かけて予算を組んでいる様子が昭和40~50年代の議事録に載っています。

配水場について。野球場の南にある土の運動場の下には地下駐車場があり、その下に同じくらいの大きさの貯水槽があります。大阪市南部の水道の水圧を高めるための配水場(地下駐車場東:南の車用入り口の突き当り辺り)を作ったのですが、その時に大きめの貯水槽を作っておき、災害時に配るための水を溜める場所としています。よく地図を見てこの土のスペースに何かを建てようという考えが出てきますが、その場合この設備の移設もセットになり、現実的には無理っぽいです。
水関係では、大雨の時の雨水を逃がすための「なにわ大放水路」もこの辺を通っていて、2000年頃には出来ていたようです。


2004:阪神高速泉北線は市道天王寺大和川線へ計画を変更。
2006:阪和線の高架化工事完了
2006:鬼武氏、Jリーグチェアマンに就任(~2010)
2007:長居陸上競技場で世界陸上開催
2009:JR鶴ヶ丘駅がセレッソ色に染まる&クラブ事務所が長居球技場に移動
2010:長居球技場第1次改修。キンチョウスタジアムとしてリニューアル
2010:梅田スタジアム構想発表
2010:一般社団法人セレッソ大阪スポーツクラブ設立(始動は翌年2月から)
2011:梅田スタジアム計画断念
2012:長居球技場第2次改修
2012:長居公園で落雷事故発生
2013:クラブライセンス制度開始
2013:日本政策投資銀行、スマート・べニューの発表
2014:長居公園から臨南寺やお墓のある区域を分離
2014:ネーミングライツにより、長居陸上競技場をヤンマースタジアム、長居第2陸上競技場をヤンマーフィールドと命名
2015:長居公園の指定管理者にセレッソ大阪を母体とする長居公園スポーツの森プロジェクトグループが選定
2015:長居球技場第3次改修の発表
2015:スポーツ庁設置
2017:桜スタジアムプロジェクトの発表&第3次改修の募金開始
2017:国会で地域未来投資促進法成立

バブル時代が終わり市の財政が悪化したのと整備が一巡したことで、スポーツ設備は新設・拡大から維持していくフェーズに入りました。公共設備の整備に力を入れ、仕事やお金を民間に落として経済を回すという政治手法が批判されるようになり、新たな設備を作ったり改修するということが困難になる風潮にありました。そんな中、政府はスポーツ庁を設立してスポーツ産業の育成に力を入れ始め、スタジアムの建設について新たな方針を打ち出しました。そんな流れが加速する中、セレッソは将来を見据えて長居公園に積極的に関わるようになっていきます。この記事は、この時期がメインになります。


なお、大阪教育大学の山田地理研究室のHPで大阪府各地の地形図・航空写真等を公開しているページがありましたので、ついでに貼っておきます。東住吉区の〇印をクリックしてください。1940年代(写真には1951年と表記)の航空写真には、今の長居陸上競技場の場所に競輪場らしきものが写っています。
市町村別地形図空中写真のページ

また、上記のリンクにある航空写真について、スライダを動かすと年代が変わっていくタイムトラベル的な地図があったので、併せて載せておきます。上の年表には載せていませんが、野球場が移動していたり、陸上のサブトラックがある時期があったりと、色々興味深いところがありますので、じっくり見てください。
長居公園周辺の航空写真をスライダで年代を変えて表示




ここからは実際の内容です。



都市計画道路・天王寺大和川線の新設)

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大阪市にはJR阪和線沿いに天王寺駅付近から大和川までを通る天王寺大和川線という都市計画道路の計画があります(計画地域のPDF。国道25号線はJR天王寺駅とあべのハルカスの間の東西に走る道)。長居公園とJR阪和線の間の自転車置き場になっているところがその計画の一部となっていて、完成時には長居球技場の真横を通る道となります(上の写真はキンチョウスタジアムのバックスタンド最上段から西を見た写真。写真左右方向に道ができる予定)。
これを書いている2017年11月の段階では、現地に対する説明会が開かれて間もなく着工という段階です。

元々昭和40年代に高速道路・大阪泉北線が計画されていて、用地買収が始まって間もなく一部区間から着工という段階まで計画が進んでいました。この高速道路は天王寺駅の東から阪和道の堺JCTあたりまでを走る予定で、美章園の辺りから大和川の近くまで当時地上を走っていたJR阪和線を高架化して、その上を高速道路が走る一体構造となる計画でした。この高速道路・泉北線に関する経緯については、次のHPの記事が詳しいので、興味のある方はどうぞ。
阪神高速道路 泉北線:高速なページ

しかし、元々地域住民の反対があったところに、1995年の阪神大震災で阪神高速神戸線が横倒しになった区間があったことで、耐震性について疑問視され、計画が見直されることに。結局1999年頃からJR阪和線だけが先行して高架化され、高速道路の計画は2003年にはなくなりました。

その後、既に用地買収が始まっていたことから2004年頃には阪和線のそばを通る一般道を作る計画となったのが、先に述べた天王寺大和川線。最終的に地域協働という形を取って「緑に覆われた遊歩道付きの道」に整備されていくことになったようです。(天王寺大和川線の最終的な計画のPDFはこちら)

緑を重視したり環境に配慮するという方針の中、2008年から2012年にかけて天王寺大和川線みち・みどり会議という会議が地域住民との間で行われました。長居公園としても関連した整備の検討があったはずですし、その使用者であるセレッソにもそういった動きは伝わっていたはずです。そしてその期間は、セレッソやJ リーグに次のような動きが出ていた時期でした。

鬼武氏のJリーグチェアマン就任)
2006/07/20 Jリーグ新チェアマンに 鬼武健二前専務理事が就任:Jリーグ公式

JSL時代のヤンマーディーゼル(釜本・ネルソン吉村がいた頃)で93勝したJSL最多勝利監督で、社長として大阪サッカークラブ(セレッソの運営会社)を設立した鬼武健二氏が、2006年から2010年にJリーグの3代目チェアマンに就任。人脈的にJとの連携がしやすくなりました。

鶴ケ丘駅のセレッソ化)
2009/09/26 ホームも本拠地(ホーム) JR鶴ヶ丘駅:朝日新聞

この時期セレッソは2度目のJ2降格で暗黒時代となっていました。ただ、クラブは育成路線に切り替えたりアンセムが作られたりと、事業部・強化部ともに様々な改革をしていました。そんな中、JR鶴ヶ丘駅は壁や柱をセレッソのチームカラーや写真でラッピングし、セレッソ色に染めるようになりました。

セレッソ事務局の移転)
2009/07頃 セレッソクラブ事務局およびセレッソ大阪サッカースクール事務局移転のお知らせ:セレッソ公式HP

長居公園南のデニーズの2Fにあったセレッソ事務局が、長居球技場に移転になりました。このときは特に何も感じなかったのですが・・・。

長居球技場のホーム化)

2009/11/06 セレッソ大阪ホーム、お隣の長居球技場に移転へ:朝日新聞
2009/11/06 長居球技場のホームスタジアム化について:セレッソ公式HP

当時人工芝のピッチでアメフト・ラグビー・ラクロス等で使われていた長居球技場を、天然芝に張り替えて北側スタンドを作るなどJリーグを開催できるようにして大阪市に寄付するというもの。事務局が球技場に移ったり、JR鶴ヶ丘駅(駅を出て右を見ると長居球技場が見える立地)をセレッソ化したりしたのも、これがあったからなんでしょう。

この改修、セレッソとしては、

・いままでと違うスタジアムを使うことで話題性が上がる
・フットボール専用スタジアムでの試合で顧客満足度を上げる
・観客の少ないカードを小規模のスタジアムでやることで、運営コストを下げる
・すでに出来ているものを改修するので、決定から使えるまでの期間が短く、コストも低い

というメリットがありました。一方、長居公園の所有者である大阪市的には、

・大口の使用者の意思を通すことで、長期的に安定して使って貰える
・サッカー分野の新規顧客が期待でき、稼働率を上げることができる
・赤字が膨らみ新規投資が困難となっている状況で、税金を使わず施設を更新できる
・空いた陸上競技場を他に貸せる余裕ができる

ということで、悪くない話。

日本では資金面からどうしても「官」が中心となってスタジアムを建てることが多く、国体やW杯といった大きな大会を契機に建てるという形がほとんどでしたが、このやり方だと官の側の人の意見が入ってしまい、微妙に使いにくい施設になりがちです。「民」がお金を出して成果物を公共団体に寄付することで使用者側の意見・仕様を呑ませるというやり方は、吹田スタジアムや広島新スタ案など、この後の新スタ建設・改修のトレンドとなっていきます。

ちなみに、この時点でセレッソのサポーター向けの説明会か何かで、宮本功氏がスタジアムを部分的に改修していく構想を話していた記憶があります。欧州の歴史のあるスタジアムはそうやってスタジアムを作り変えていくやり方が多く、一気に建てる土地やお金が大変なことを考えると、このやり方のほうがいいとのことでした。スタンフォード・ブリッジなんかがその例で、参考としてその辺りが書かれているブログを貼っておきます。
写真で見るスタンフォード・ブリッジの歴史:LaBOLA

この時の改修を第1期改修と呼びますが、この改修により、セレッソは陸上競技場で4万人規模の長居陸上競技場、球技専用スタジアムで2万人規模の長居球技場、陸上競技場で1万数千人規模の長居第2陸上競技場の、長居公園内の3つのスタジアムを使える、Jでは他にない環境になりました。客の入る試合は長居陸上競技場で、普段は球技場で、バックアップとして第2でと、選択肢が増えたことで運用に幅ができました。2016年の昇格PO決勝では、シーズン上位クラブがホーム開催権を得るということで、興行面を無視して勝つためにあえてキャパの小さいキンチョウスタジアムを選んだ(サポの声がダイレクトに届くのでモチベーションが上がるという、選手の声に従った)という話も残っています。

梅田スタジアム構想の発表)
2010/01/05 梅田「エコ」スタジアム サッカー協会・大阪市構想:読売新聞(Web魚拓)
2010/02/20 梅田・北ヤードに新スタジアム構想 サッカーW杯視野に:朝日新聞

日本サッカー協会は梅田のJR貨物駅跡地に2022年W杯を誘致するための8万人規模のスタジアムを建設するという構想を発表しました。当時Jリーグチェアマンだった鬼武氏の名前も見えます。Web上には既に1次ソースは残っていませんが、セレッソが提案したという話やW杯後はセレッソが使用するという話がありました。

2002年W杯用に作られた現日産スタジアム(収容人数72327人)は、FIFA側の基準が変更されたことによりW杯決勝開催スタジアムの基準である8万人をクリアしておらず、別のスタジアムが必要になっていました。当初、2018年W杯の開催誘致において東京にスタジアムを作る予定でしたが誘致失敗。当時の犬飼チェアマンは2022年W杯の誘致において別のところに建てることを提案してチェアマン退任となり、鬼武氏が就任。梅田の一等地が空きそうなことで手を上げたようです。

しかし、一番大きな問題は1000億円とも言われる予算。当時の大阪市長である平松氏とは建設について合意が取れていましたが、市や府からはお金が出せないということは言われていて、国の支援が期待されていました。ちなみに、この当時の政権は民主党政権。事業仕分けのあった頃で、ダムやスーパー堤防などのような公共工事を否定していた時期。当時大阪府知事だった橋下氏は民間から募ることを提案したものの、2010年8月頃から反対に転じることに。そのあたりの経緯が以下の記事です。

2010/12/02 W杯開催国、決定直前 橋下知事のスタジアム反対に波紋:朝日新聞

2010年末の投票で日本は2022年W杯誘致に失敗(しかもカタール開催のため、しばらくはアジア開催がなさそうというおまけ付き)。平松市長は規模を縮小して建設することを考え協会の提案を待っていたようですが、協会からの提案はなく関西経済界も元々提唱していた緑化構想を改めて表明。平松市長も2011年に断念という流れになりました。

新大阪・大阪エリア うめきた2期:大阪府HP
その後、2014年の梅田北ヤード開発案のコンペで、優秀案の10案に選ばれた大阪ガスの提案にスポーツ施設の文字と楕円形の構造物がありましたが、詳細は不明。次のコンペは2018年ともいわれています。

この梅田スタジアムの計画には次のような内容が盛り込まれていました。

・屋根に太陽光発電装置をつける
・音や振動による発電装置をつける
・屋上や壁面などを緑化
・電光掲示板は発光ダイオード使用
・商業施設を組み合わせた「複合型スタジアム」である

複合型スタジアムやいわゆるエコな仕様を盛り込んでいて、大阪エコスタジアムという仮称もつけられていたようです。この考え方は後の桜スタジアムプロジェクトにも盛り込まれているものも多いです。

長居球技場ネーミングライツ決定)
2010/07/01 長居球技場のネーミングライツパートナー決定のお知らせ:セレッソ公式

長居球技場のネーミングライツはキンチョウが取得(その後キンチョウはセレッソのスポンサーになっています)。年3600万円でキンチョウスタジアムと命名されることになりました。その後、同一条件で2017年末まで更新されています。また、その後2014年に長居陸上競技場及び長居第2陸上競技場のネーミングライツをヤンマーが取得して、それぞれヤンマースタジアム長居・ヤンマーフィールド長居となり、3つあるJ開催可能なスタジアムすべてにネーミングライツが導入されました。

キンチョウスタジアムこけら落とし)
2010/08/08 セレッソ大阪0-0川崎フロンターレ:セレッソ公式

2010年8月8日。長居球技場はキンチョウスタジアムとして生まれ変わりました。試合はキリがいい8/8(8という数字は森島寛晃氏の背番号だったこともあり、セレッソ的にはキリがいいとされていますw)の川崎フロンターレ戦。試合は0-0のスコアレスドローでしたが、この年セレッソはキンチョウスタジアムで無敗。J1復帰初年度3位でACL出場を決めています。

落雷事故)
2012/08/12 落雷相次ぐ 大阪で女性死亡、滋賀では男子重体 :日本経済新聞
2017/07/20 野外ライブで落雷死、遺族の敗訴確定:日本経済新聞

2012年夏、長居公園での落雷により、女性が亡くなりました。ライブ開催前の列待ち時に雨が振ってきて、木の下に避難していた時に雷が女性に落ちたようで、運営に責任があるかないかの議論が色々されていました(この後に起きた裁判では、最高裁まで行って遺族側の敗訴が確定)。

この事故の後、長居公園は天気関連の会社と提携をして雷雲の動きを監視するようになり、雷が来そうになると園内放送でスタジアムのコンコースに誘導するようになりました。ただ、キンチョウスタジアムの試合で雷のため避難することがあったのですが、観客がバックスタンドから移動するのに結構時間がかかっていました。サポの間では観客が避難できる屋根下スペースがいるんじゃないのかという議論が起きていました。

第2期改修)
2012/10/24 キンチョウスタジアム改修工事についてのお知らせ:セレッソ公式

2012年末から2013年頭に、第2期改修が行われました。内容としては北側スタンドの拡張、南側スタンドの座席化(これまでは芝生席だった)、バックスタンドの南にトイレ新設、メイン・バックの一部座席の変更(カップホルダー・席間隔を広げるetc.)といったところがメイン。

totoの助成事例データベースを見ると、大阪市が2011年にキンチョウスタジアムの改修として助成金を受けています。ちょうどtotoの仕組みが大きく変わった時期で、大規模スポーツ施設改修に対して助成金が貰えるようになったようです。ただ、平成29年の募集要項では、スタジアムの「新設」だけしか募集していません。

スポーツ振興くじ助成金交付要綱:toto公式HP
→交付要綱としては、大規模スポーツ施設整備助成は新規と改修の両方に対応(別記1「2 助成対象事業」)

平成29年度スポーツ振興くじ助成金 募集の手引・大規模スポーツ施設整備助成:toto公式HP
→平成29年の募集要項では、新設の場合のみしか募集していない(P8「3 助成対象事業」)。

クラブライセンス制度開始 )
2012/01/20 クラブライセンス制度とは何か?2013年導入を目指すJリーグの不退転:SportsNavi
2014/10/02 Jライセンス、半数以上の24クラブが屋根・トイレ不足…指摘は厳しい?:ゲキサカ

2013年から始まったクラブライセンス制度。様々な評価項目があり、それを満たさないとJに参加するためのライセンスを失うことになります。評価項目にはいくつかのランクがあり、即ライセンス停止となるものや、警告で終わるものもあります。

セレッソは長居陸上競技場のトイレの数と、キンチョウスタジアムの屋根のカバー率で引っかかり、いずれは結構なコストをかけてどうにかしないといけないという状況になっていました。2017年現在、屋根のカバー率やトイレの数については違反即ライセンス停止にはなっていませんが、将来的にそうなる可能性もあるようで対応しないといけません。

また、ACLを開催するAFCのスタジアム基準も関わってきます。基本的に立ち見がNGなので、キンチョウスタジアムのホームゴール裏は今のままでは使えないことになります。立ち見席の場合は、スタジアムが認められないのではなくそのエリアに観客を入れてはいけないという形になり、ゴール裏閉鎖で開催自体はできるらしいですが、対応する必要はあります。

2016/08/24 ACLルール厳格化 川崎F等々力1階席は無観客に:日刊スポーツ
2017年度からは更に厳しくなり、座席は30cm以上の背もたれが必須になりました。キンチョウスタジアムは背もたれなしの席も多く、そこの対応も必要となってきます。

『【第3回】2017柏レイソル意見交換会』要旨:柏レイソル公式
昨年までACLを開催するためには、背もたれ30cm以上の席が5,000席以上なければならない、という規定が確かにございました。実は今年から基準が改定されており、基本的には、個席化されていて一定の背もたれがあるというように見直しが入り、「30cm」という明確な基準はなくなっています。
背もたれの高さについては後に少し緩和になり、数値の部分がなくなったようです。

この問題はJやACLの開催において対応すべき問題。これを解決することがJやAFCから求められることになり、スタジアム改修という話が現実的な問題になりつつありました。

スマート・ベニュー)
2013/8/30 『スポーツを核とした街づくりを担う「スマート・ベニュー」~地域の交流空間としての多機能複合型施設~』を発行:日本政策投資銀行
スポーツを核とした街づくりを担う「スマート・ベニュー®」~地域の交流空間としての多機能複合型施設~(PDF):日本政策投資銀行

2013年の夏に、政府系金融機関なのかな?日本政策投資銀行というところからこのようなリリースがありました。

スマート・ベニューの定義は「周辺のエリアマネージメントも含む、複合的な機能を組み合わせたサステナブル(持続可能)な交流施設」ということらしいです。

資料から抜粋すると、スタジアムのような施設を作るときに
・単機能
・行政主導型
・郊外立地
・低収益性

だった今までのやり方を

・多機能型
・民間活力導入
・街なか立地
・収益力向上

という考え方にして、周辺エリアのマネージメントも加えようというもの。もっと噛み砕いて言うと、「スタジアムを試合のときだけでなく普段から使えるような施設にしましょう」「そうして人・金が集まる、地域の中核施設にしましょう」というものです。そのために民間の力を借りたり、街なかに誘導したり、周辺環境を整備すると。この考え方は後のスポーツ庁の掲げるスタジアム・アリーナ改革の方針となっていき、国の進めるスタジアム建設のモデルとなっていきます。

長居公園の指定管理者に選定)
2015/06 長居公園、長居陸上競技場及び長居公園地下駐車場ほか11施設の指定管理者を募集します:大阪市HP
2015/07/20 セレッソ大阪が長居公園の運営に名乗り 指定管理者申請へ「クラブの価値を高めたい」:産経新聞
2015/09/28 長居公園、長居陸上競技場及び長居公園地下駐車場ほか11施設の指定管理予定者の選定結果について:大阪市HP
2016/03/31 大阪・長居公園、4月から「セレッソ大阪」が指定管理…街全体を活気づける新名所に:産経新聞

2016年3月に切れる長居公園の指定管理者に一般社団法人セレッソ大阪スポーツクラブを中心とする長居公園スポーツの森プロジェクトグループが手を上げ、選定されました。

指定管理者制度は、公の施設の運営・管理を法人または団体に代行させることができる制度で、民間が施設を運営することでサービスが向上して利用者にメリットがあったり、所有者の負担が軽減したりします。

サッカークラブがスタジアムの指定管理者になる旨味は、スタジアムを自分達が管理することによる金銭的なメリットや、設備投資に関われるところ。例えば売店収入が指定管理者に入ったり、J の試合でのみ使う設備を常設して運営コストを下げたり、新しい設備を指定管理者として導入したり。試合運営と観客を満足させるノウハウを持っているところが指定管理者となることで、観客の満足度は上がることになりますし、それによって人気・収益もアップする可能性があります。そして、将来のスタジアム大改修へ向けても、指定管理者という肩書がついたことで、話がつけやすくなります。

ちなみに前回は2011年5月に募集。長居公園スポーツ・みどり振興グループ(大阪市スポーツ・みどり振興協会、美津濃、三菱電機ビルテクノサービスなど)が選定されていました。今回選定されたのは長居公園スポーツの森プロジェクトグループ(セレッソ大阪スポーツクラブ、大阪スポーツみどり財団、NTTファシリティーズ、関西ユニベール、シンコースポーツ、モリタスポーツ・サービス、タイムズ24)。ソーラー関連や建設設計・都市計画関連、駐車場やスポーツ施設運営関連と、スタジアム改修や運営に関係しそうな名前がいくつもあります。

セレッソが長居公園全体の指定管理者となったことで、各施設との連携やスタジアムだけでなく広場でのイベントにも関わるようになり、ラーメン女子博のようなイベントをセレッソの試合に合わせて開催できるようにするという連携もできるようになりました。
指定管理は2021年3月末までの5年間の契約となっています。

こういった事業のやり方には、コンセッション方式・PFI方式など、様々な手法があり、それぞれに一長一短があるようです。今回は指定管理で行くようですが、将来的に違うやり方をとるかもしれません。興味のある方は指定管理やコンセッション方式・PFIなどで検索してみてください。

第3期改修の発表)
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2015/10/03 キンチョウスタジアムの育成型複合スタジアム化改修に関して:セレッソ公式HP



2015/9/29に発表されたこの構想が、現在桜スタジアムプロジェクトとして募金の告知がされているものです(その直前に噂は聞こえていました)。大まかな内容は次の通り。

・段階的に改修する。最終的に4万人規模にする(が、まずは3万人規模)
・南スタンドと西スタンドを建て替える
・改修後の南北のスタンドは南北のホームとアウェイを入れ替え、東西のメインとバックも入れ替える
・資金は募金でまかなう
・複合型スタジアム
・防災拠点の機能を持たせる
・地域の賑わい、振興の創出
・改修後は長居陸上競技場は使わない

ここまで書いた通り、長居球技場は1987年に作られました。老朽化や大観客・雷への対応などに問題が出ていたり、クラブライセンス・ACL対応問題もあります。大阪市としても天王寺大和川線も案が練られてそろそろ着工というタイミングで、改修するならこれに合わせた方が都合が良い。セレッソが指定管理者となったのもこの改修が前提だったはずです。

工事については従来通りセレッソがお金を出して市に寄付する形で、今回の資金は募金で行うことに(totoの助成金は規約上改修でもOKだが、現在募集は新設スタジアムのみなので使えない)。ただ、この後に熊本の大地震が起き、J2にいたこともあって、募金計画は少し遅れたとアナウンスされています。

「地域の賑わい・振興の創出」の部分は、今見直してみるとスマート・べニューの考え方と一致します。この発表の2年前にスマートべニューのリリースが世に出てきていて、時系列的にも影響を受けてそうです。

ちなみに桜スタジアム関連についてはこのブログでも記事を書いています。
2015/08/21 キンチョウスタジアム大改修のお話
2015/09/05 キンチョウスタジアム大改修のお話 その2(長文注意)
2015/09/29 「セレッソの森 スタジアム構想」を発表!
2015/10/01 キンチョウスタジアム大改修 4万人規模に関するあれこれ
2015/10/05 会見コメントとイメージ図に関する考察

スポーツ庁設立)
2015/10/01に、文部科学省の外局としてスポーツ庁が設立されました。競技としてのスポーツや健康スポーツ、五輪対応など、スポーツに関する様々な役割を担うことになります。

スポーツ庁の創設とスポーツ政策の推進:文部科学省HP

スポーツを通じた地域・経済活性化もその役割の1つで、文部科学省のこのページにある画像には「スタジアム・アリーナの在り方」という文字も見えます。

国産木材によるウッドデッキシートの設置)
2016.4.10「環境に配慮しよう!」キンチョウスタジアムに国産材を使った木製観客席:産経新聞

第3期改修発表後、メインスタンド上段にウッドデッキシートを作りました。新国立競技場にも木の席を作るという話がありましたが、それを先取りした形。新国立絡みのプロモーションの一貫かな?とも思いますが…
ちなみにこれやその他にも小さな改修工事が行われ、それらを第3期改修という人もいます。ただ、公式としては桜スタジアムプロジェクトの改修が第3期改修となっています

竹中工務店がゴールドスポンサーに)
2016/04/01 「株式会社竹中工務店」とゴールドスポンサー契約締結のお知らせ:セレッソ公式

吹田スタジアムの設計・施工で有名になった竹中工務店がゴールドスポンサー(トップ・プラチナ・ゴールド・シルバー・ブロンズの真ん中に相当)になりました。どう考えてもキンチョウスタジアムの設計・施工に絡むという風にしかw。ちなみに、京都の亀岡の新スタも2017年10月に竹中工務店が落札していて、キンチョウスタジアムも受け持つことになれば、関西の3つのスタジアムを独占できることになります。

桜スタジアムプロジェクトの発表)
2017/02/12 「サポーターズコンベンション2017」レポート【第2部(3)】:まいどセレッソ(セレッソ公式サポーター向けHP)

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2017/03/30 「桜スタジアム」募金で進化…31年完成予定のセレッソ本拠、観客動線に桜並木も:産経新聞
2017/04/15 「桜スタジアムプロジェクト」インタビュー 大阪のみらいに、感動を贈ろう。:サッカーキング

2017年開幕前のサポーターコンベンションで、募金開始及びスタジアム改修工事のアナウンスがありました。1年半経って変わった部分(完成形で北側スタンド(ホーム・アウェイ入換えにより、現ホームゴール裏が新アウェイゴール裏になる)に屋根がついたイメージ図がある)もあり、上の写真のようなイメージ図(北西角:JR鶴ヶ丘駅方面からの視点)も出てきました。この時書いた記事は以下の通り。
2017/02/13 桜スタジアム(キンチョウスタジアム)改修工事について

フィリップス製LED照明採用の発表)
2017/03/09 「フィリップス ライティング ジャパン合同会社」と ライティングパートナー契約締結のお知らせ:セレッソ公式HP
2017/03/09 セレッソ大阪の新スタジアムにフィリップスのLED照明を導入。世界標準のクラブへ:家電Watch



こちらはフィリップス製のLED照明の採用が決まったというニュース。欧州のスタジアムで使われているLED照明です。キンチョウスタジアムのナイトゲームの映像を見ると、照明の光で黄色っぽい絵になっていることが多いですが、これだと白っぽい絵になりそうです。HTや試合前イベントとかで色々できそうですし、コンサート利用とかにも使えそうです。電気代もかなり下がるようです。

ただ、この手の照明は光のON/OFF速度や光量よりも、どう使うかというソフト面が重要。家電Watchの記事によると照明演出のノウハウの面でもサポートを受けるようで、欧州で使われている照明演出をそのまま持ってこれるのではと密かに期待しています。その辺りのことをこのブログで書いた記事はこちら。
2017/03/09 「フィリップス ライティング ジャパン合同会社」と ライティングパートナー契約締結


桜スタジアム構想がスタジアム・アリーナ改革推進事業に採択 )
地域未来投資促進法:経済産業省

2017年2月-3月の国会で地域未来投資促進法が成立し、7月31日に施行となりました。
簡単に言うと、地域の経済を回してもらえるように、地域に根ざした新たな成長分野に政策資源を集中投入し、民間の金・人を誘導する(=地域経済が潤う)という政策です。スタジアム・アリーナの建設も対象分野となっていて、複合スタジアム化して試合の日以外でも人が呼べる「稼げる」施設に誘導しようとしています。スポーツ庁設立のところでも簡単に触れた「スタジアム・アリーナの在り方」が、このタイミングで形になったということでしょう。次の記事はスタジアム建設にフォーカスしたものです。

2017/03/23 スタジアムの地域拠点化 37年までに20カ所 未来投資会議で提示:産経新聞

法案の具体な内容ですが、国から派遣された専門家のアドバイスを受けることができたり、税制・ファンドなど財政面での支援、関係省庁との折衝を行いやすくしたりと、様々なメリットを享受することができます。中でも、国が抱えている新たな技術(未来投資会議では、スタジアムの席からスマホで食事を注文して届けてもらうシステムが例としてあがっています)を紹介してもらえるというのが個人的に気になっています。なお、設備投資についても減税措置などがあるので、LED照明の件もコストが下がるかもしれません。

2017/08 公募型企画競争方式(プロポーザル方式)発注案件(大阪市スタジアム・アリーナ改革事業計画策定支援業務委託):大阪市HP

この法案の成立により、大阪市がこのような募集をかけていました。これによると、長居公園内のスタジアム3つの課題とその解決策を提示させ、それを支援する業務を募集しているようです。大阪市会の議事録にはPFIについての言及もあり、てんしばや大阪城公園のようなやり方も検討しているように見えます。

2017/09/15 【桜スタジアム構想など4件選定】スタジアム・アリーナ改革推進事業、1期公募の採択先決まる:日刊建設工業新聞ブログ

スポーツ庁はスタジアム・アリーナ改革推進事業の最初の案件として、桜スタジアムを採択しました。現時点で計画がかなり具体的に進んでいる桜スタジアムプロジェクトは実績作りに最適だというのもあるかもしれませんが、2015年の第3期改修の最初のリリースにあった資料に出てくる言葉(「地域の賑わい」「振興の創出」「防災機能」など)を見ていると、スポーツ庁のスタジアム・アリーナ改革ガイドブックにも載っている、上でも書いたスマート・ベニューの考え方そのもので、この採択もやっぱりなという印象でした。「官」ではなく「民」がお金を出すという部分でも、理想的なモデルですしね。

2017/09/29 地域未来投資促進法 同意基本計画一覧:経済産業省

こちらは経済産業省が同意した基本計画の一覧。法案の流れでは、市町村及び都道府県が基本計画を作り国が承認するというプロセスが必要で、これを元にして企業の案を募集するという形になります。上のスタジアム・アリーナ改革推進事業はスポーツ庁の採択で、こちらは経済産業省の話。スポーツ庁の方はスタジアム・アリーナ分野に限定した話で、経済産業省の方はスタジアム・アリーナ分野も含めた大枠(他に、健康・ものづくり・環境・観光など、様々な分野も含む)での基本計画(これを元に企業の案を募る)という違いがあります。

大阪市の資料を見ていると、7ページの⑤が関連しそうですが、全体的に企業の誘致とか健康関連とか観光関連も含めた話が書かれていて、スタジアムの建設はその中の1つという位置付けです。亀岡の新スタ計画が詳細に書かれていますが、主体が京都府や亀岡市なので国が承認する形になっています(「民」が主体なら、市町村や都道府県が承認する形になる)。


長居公園のキンチョウスタジアム(長居球技場)といった大規模競技施設については、より魅力的で収益性を有する施設(スタジアム・アリーナ)への展開を図っていくための取組も進展しつつあるほか、プロスポーツチーム等との協働事業や、大阪市立大学との共同研究など産官学との連携事業にも取組みはじめている。
その大阪市の資料の該当部分がこれ。大阪市大との共同研究という内容も織り込まれています。

2017/08/29 大阪市立大学とのフレンドシップ協定締結のお知らせ:セレッソ公式
関連しそうなリリースが先日ありました。スタジアムとは直接関係ないかもしれませんが、今回の流れに関連していそうなので一応提示しておきます。

桜スタジアム建設募金団体新理事、顧問就任)
2017/11/10 桜スタジアム建設募金団体新理事、顧問就任のお知らせ:セレッソ公式
関西経済連合会 会長、大阪商工会議所 会頭、大阪市長が理事・顧問に就任しました。お隣の時は元関西経済連合会会長の下妻氏が理事になったのが大きかったという話もあり、市長や経済界のトップが名を連ねるというのはプラスになるでしょう。


最後に )
長居公園の歴史から、周囲の動きや政治の状況を含め球技場の改修の経緯をざっと通しで紹介してきました。なんでこうなったんだろうと不思議に思ったことも、こうして一連の流れで見ると腑に落ちることもよくある話です。

通しで見てみると、第1期改修の時から段階的に改修するという構想を持ち、それに沿ってクラブが動いていたことがわかると思います。その流れの中、スマート・ベニューの考え方をどこかのタイミングで取り入れ、第3期改修に織り込んでいます。これをスポーツ庁も取り入れ、後に政権が法案化しています。スポーツ庁からスタジアム・アリーナ改革推進事業に選ばれたように、今後のスタジアム建設のモデルケースとなるでしょうし、成功させたいところです。



ルヴァンカップ優勝のタイミングでこれを出してくる公式w

2017 JリーグYBCルヴァンカップ決勝 vs川崎フロンターレ 初戴冠!

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ブ口グ管理人
これまでセレッソはあと一歩のところでタイトルを逃し続けていました。
天皇杯3回、長居の悲劇2回、J2でも優勝なしと、ことごとくチャンスを逃してきました。

そうして迎えた埼玉スタジアム2002でのホームゲーム扱いとなる大一番。相手はセレッソ同様にタイトルを逃し続けている川崎フロンターレ。彼らも負の歴史が続き、「中村憲剛にタイトルを」と一致団結しています。お互い絶対に負けられない戦い。

「平常心」と「全員」)
セレッソは一昨年の昇格PO決勝で敗退し、昨年の昇格PO決勝で昇格を勝ち取りました。この経験をアドバンテージに出来ないかというのが試合を迎えるにあたって思っていたことでした。前年の反省と、翌年の成功の体験。ここの経験の差が、今回はアドバンテージになるのでは。試合を迎えるにあたってのモチベーションの持っていき方、メディア戦術。シチュエーションは違うけど、やっていいこととダメなことを知っているのと知らないのとでは大きく違います。ここを上手く使えないかと。

色々記事を見ていると、セレッソが選択したキーワードは「平常心」。監督・選手がそういう言葉を使っていました。最初の長居の悲劇の際、周囲が盛り上がりすぎて変な空気になったという話がよく言われています。それを考えると、より冷静になれた方が良いのでは。

吹田スタでのダービーのロスタイム。最後の最後で、セレッソは単純に放り込むのではなく、繋いでサイドからのクロスに全てを賭けました。あの時、ソウザは崩してサイドからという選択をしたことを言っていました。遠藤は完全に放り込みだと思っていて、体を投げ出してパスを受けた福満のロングボールを防ぐ動きをしていましたが、福満は右にはたいて田中の前のスペースに。川崎もセレッソも大事な試合で何度も取りこぼしているだけに、ああいう冷静さが今こそ必要ですよと。

もう一つのキーワードは「全員」。カップ戦では完全ターンオフ制を敷く尹晶煥セレッソでは、サブ組中心で戦ってきました。誰かが「俺達のルヴァンカップ」と言い、それがメディアに伝えられてサポの間でもよく言われてました、リーグ戦は彼らに任せるが、カップ戦は俺達の場だ。そういった意味で言っているこの言葉。彼らが必死に頑張って勝ち上がって来たことで、後で入ってくるリーグ戦のメンバーも彼らをリスペクトする発言が増えていました。「全員」で勝ち取るというキーワードを使うのは自然な流れでした。

「全員」で勝ち取る。それは何もピッチ上の話だけではありません。
関東では金曜日、関西では土曜日に発売のエルゴラでは、数多くのOBの声を引き出してくれていました。SNSでも多くのOBが声を上げてくれていました。多くのサポは感謝し、懐かしみ、そして決意を新たにしていました。選手・スタッフだけでなく、過去に在籍した選手・関係者、そしてサポーター。全てが同じことを願い、それぞれにできることをやっていました。

試合当日)

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早朝に乗っていたバスを降りて現地に着いたのは7時過ぎ。設営が始まっていて、FINALの雰囲気が出始めていました。
早速スタジアムをパチリ。試合が終わった時、どういう気持になっているんだろうか。そんなことを思いつつ待ち列に。

スタメンはベストメンバー。事前報道では木本が太ももに張りか何かあったようだけど、スタメン入り。あちらも怪我人が多数戻ってきて早速起用。ただ、怪我明けで延長含めてと考えると、不安要素なのも確か。用兵面ではそこが付け入る隙になるでしょうか。



平常心で行こうと思っていると、スタメン紹介が始まりました。過去のVTRを使って、アディショナルタイムにこぼれ落ちた栄光(長居の悲劇)、アディショナルタイムで掴み取った決勝(ルヴァンのダービー)と繋げ、これまでとは違うこと・全員の力で歴史を変えるという強い意志を表現。これはズルい。いい意味で平常心なんかどっかに飛んで行ってしまいました。

主審は西村雄一。実は、去年の昇格PO決勝と同じ審判。これは朗報だなぁと思っていました。これまでの担当試合で36試合21勝6分9敗、勝率58.3%と、現役審判で10試合以上担当している審判の中でNo.2の勝率(トップは11試合10勝1敗・勝率90.9%の野田祐樹)。色々言われますが、案外西村氏のときには勝ってるんですよね。



試合開始。序盤に意外な展開に。
川崎のエドゥアルドが処理をミスって健勇がGKと1vs1。これをきっちり決めて先制。平常心が大事というのはこういうこと。相手が大舞台で入れ込み過ぎてミスをするパターンにハマってくれました。これで冷静になったというか、精神的に優位になって落ち着けました。

早すぎる先制点もあって、ピッチの中ではほとんどの時間が川崎の攻撃。しかし、きっちりブロックを作って迎え撃ち、いるべきところにいるべき人がちゃんといて、外から中に入るところまではやられても点を取る役目の選手はちゃんと抑えています。本当に危険だったのはジンヒョンがセーブしたのくらい?といっても、試合中はヒヤヒヤしてましたが。試合後の話ではもっとポゼッションすることを考えていたようですが、そうれが無理でもこのように守ることも想定していたようです。
主審の笛もPO同様で、想定通り。ストレスなくプレーできていて、逆に相手はペットボトルが投げ込まれるなどサポも含めてカッカする状態。ただ、この時期にしては日差しが異常で、インナーの上にユニを着てるだけの状態でもかなり暑かったです。HTに走行距離とか出ていましたが、結構走っていて体力的に不安はありました。

後半になると、雲が出てきて日差しが和らいていました。相手が先に動きますが、状況は変わらず。こちらは山村が入って久しぶりの勝ちパターンに持ち込みます。そんな中、後半アディショナルタイムにカウンターでソウザがGKと1vs1の状況に。これを決めればほぼ決まりという時間帯。ソウザはGK をかわしてきっちり決める。勝利を確信したゴール裏はあらゆるところで歓喜の声をあげ、抱き合い、ハイタッチしあい、そして涙していました。あとは終了の笛を待つのみ。

初戴冠)
西村氏の笛が鳴り、試合終了。待ちに待った瞬間。
これまで貯めてきた思いを全部吐き出すサポーター達。最初の長居の悲劇の時に配られた紙テープをようやく使うことができたとばかりに、スタンドの至る所からピッチに向かってピンクの線が引かれていました。ただ、タイミングとか特に決めてなかったのもあって、単発でバッラバラwうちらしいっちゃーうちらしいけどw

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表彰式では待ちに待ったカップを掲げるシーンが。誰もが目に涙を浮かべ、それでいて口元は緩んでいました。全員で勝ち取ったタイトルだけに、その喜びは格別の物。

全員が表彰台からピッチに降りてきた後、モリシと尹晶煥の2002年W杯にも出た2人のレジェンド達がカップを掲げるシーンは、さすがにグッと来ました。彼らもあと一歩のところで涙を飲んだ選手。それだけにこのタイトルは本当に嬉しかったようです。

我々がセレッソを応援するのも、セレッソにとってレジェンド中のレジェンドであるモリシが、優勝した時に喜ぶ姿を見るためというのもあります。過去のヒーロー達が立場を変え、現代のヒーロー達と共にタイトルを獲るなんて最高じゃないですか。本音を言えば、彼らが現役の時になんとかこのシーンを実現させたかったんですけどね・・・ただ、これもまた歴史。川崎さんには申し訳ないですが、こっちは20数年待ってたんでね・・・。

とかいいながら、その後モリシは胴上げシーンで「重い!」と、すぐに地面に叩きつけられてましたがwゴール裏では「あれがモリシの役割」と酷いセリフが飛び交ってましたw

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スタジアムを出て、前を通りかかった時、朝のことを思い出してパチリ。
日が沈み始め、雲が出てきて雨がポツポツくる中、スタジアムだけがこうして光に包まれていました。
同じ景色ながら、その印象は変化していました。

そして、我々の気持ちにもこの数時間で変化が生まれたはずです。
ようやく長居の悲劇の呪縛から逃れられた。
そして、タイトルは決して届かないものではないと。
まずはリーグ戦でACL出場権を早めに確定させること。そして直近でタイトルの可能性の残っている天皇杯。そこからやっていきましょう。

この試合に関わった全てのセレッソ関係の方々、お疲れ様でした。ゆっくり余韻に浸りましょう。


ACLで出場停止が消化しきれなかったケースについて

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ブ口グ管理人
本日、ACL準々決勝第2戦で退場処分となり出場停止処分が消化されずに敗退となった車屋選手の処分が決まりました。
この件、似たケースとして昔こういうことがありました。

ACLで退場処分の仙台FWウイルソン、J1第10節が出場停止に:ゲキサカ

2013年のACLグループステージ最終戦で退場となったウイルソンが、Jリーグの直近の試合で出場停止となり、出れなくなっていました。

仙台・ウィルソンの不可解な出場停止。協会の誠意なき対応が招いた重大な過失:football channel

この記事によると、これはAFCの独自ルールのようで、UCLでは出場停止は同じ大会のみで消費され、消費できなかった場合は翌年に繰り越すというのがルールのようです。

先日見たJのHPにはこう書いてありました。

http://www.jleague.jp/aboutj/rules/
<AFCチャンピオンズリーグ(ACL)における未消化の出場停止処分の繰り越しについて>
・ACL出場各チームが敗退などによって大会が終了した時点で、チームの選手または役員に科された出場停止処分が未消化であった場合、その未消化の出場停止処分は日本国内における公式試合(Jリーグ、Jリーグスーパーカップ、天皇杯など)を含む、クラブの次の公式試合(AFC主催の試合のみに限定されない)に繰り越されます。
・出場処分が適用される試合は、JリーグがAFCからの文書を確認した日の翌日より5営業日以降の直近の公式試合とします


これは2015年2月現在の情報として書かれていました。

警告累積による出場停止の当該試合
・警告累積による出場停止は、当該大会以外には適用されません。
退場による出場停止
・退場による出場停止についてはJリーグ規律委員会で処分が決定されますが、処分が決まる前でも退場を受けた次の1試合は自動的に出場停止となります。
・退場(1試合警告2回による退場を含む)による出場停止は同一大会における直近の試合で順次消化します。
・出場停止処分が同一大会で消化しきれなかった場合、残存の出場停止処分は直近の同レベルの大会で消化されます。

同じページに、Jの大会に関して大会終了時に消化しきれなかった退場による出場停止処分は、直近の公式戦に持ち越されるという記載がありました(2015年10月の弊ブログ記事:最終節をまたぐ出場停止の扱い より抜粋)。
一般的にはこの認識ではないでしょうか。公式HPに出ていましたしね。

そして本日、ACLで退場した車屋選手の処分が発表になりました。

LATEST AFC DISCIPLINARY AND ETHICS COMMITTEE DECISIONS PUBLISHED:AFC公式
この中の「here」のリンクのファイルには以下のような記載がありました。

1. Mr. Kurumaya Shintaro is suspended for one (1) match, which includes the one (1) match automatic suspension arising from his expulsion from the match Urawa Red Diamonds (JPN) vs.Kawasaki Frontale (JPN) on 13 September 2017.
2. The one (1) match suspension shall be carried over in accordance with Article 38.2.3 of the AFC Disciplinary and Ethics Code (Code).
3. Mr. Kurumaya Shintaro is ordered to pay a fine of USD1,000/- in accordance with the Code.
4. The fine shall be settled within 30 days from the date that this decision is communicated in accordance with Article 11.3 of the Code.
5. Mr. Kurumaya Shintaro is informed that a repeat violation of this provision will be met with more severe punishment.


これを見る限り、1試合の出場停止(2.)と1000USDの罰金(3.)が科されるようです。ただ、ACL敗退で出場停止が消化できません。これをどうするのか。
2.を見ると、1試合の出場停止処分がAFCの懲戒・倫理規定により持ち越されるとあります。上のJのHPの記載を知っていると、「あぁ、1試合出場停止だけど、今日発表だから明日から5営業日経った直近の試合=リーグ戦になるな」と思ってしまいます。ただ、よく見ると規定がどうこうとありますね。そっちをみてみましょう。


AFC Disciplinary And Ethics Code
:AFC公式
38.2.3.AFC club competitions: to the Player’s next official Club Match in a continental competition in the same category of football;
これを見ると、同じカテゴリーの大陸大会の次の公式戦に持ち越されることになります。つまり、アジア大陸の大会=ACL?

この解釈が正しいとすると、上のウイルソンの記事にあった、UEFAでは大陸間トーナメントの退場による未消化の出場停止は翌年に持ち越すという規定に合わせたことになります。
じゃぁ、上に書いたJのHPで次の大会に持ち越されるという規定って?とhttp://www.jleague.jp/aboutj/rules/を見てみると・・・そこのページが消えていますね! /(^o^)\ナンテコッタイ
前に見たのはこの退場があった直後(2017/9/13)で、31日の夜にはありませんでした。うーんw

懲罰規定[2017/4/13 施行]:JFA公式
このファイルの12ページ、〔別紙2〕懲罰基準の運用に関する細則の第6条によると、
第6条 〔同一競技会にて消化しきれなかった出場停止処分の持ち越し〕
1.第4条による出場停止処分が、同一競技会において消化しきれなかった場合、残存の出場停止処分は、
当該出場停止処分を受けたチームが出場する直近の公式試合において、その処分を消化するものとする。

となっていて、この規定は残っていますね・・・むぅw

この辺りの規定がAFC側で変わってしまって、J側が対応出来ていないのか、HPの記載が古いだけだったのかよくわかりませんが、多分AFCの規定に合わせるんでしょうか?AFCの規定に合わせると来年のACLが出場停止になる可能性が高そうです。Jから何かしらのリリースあるでしょうから、そちら待ちですね。これ、今年末の未消化の出場停止とかどうするんですかね・・・